トロピカルアイランド グアム島の花々
 タモン湾

日本から南へ2500Kmの太平洋に浮かぶ元火山島。北緯13度、マニラとほぼ同緯度の熱帯の島です。珊瑚礁が隆起した平たい島ですが、16万人の島民のほとんどは狭い海岸沿いに暮らしています。
アメリカ合衆国の自治領(準州)で、アメリカの中では最も東に位置し、「アメリカの1日はここから始まり」ます。(アメリカの1日が終わるのはアラスカ・ハワイ)
観光客が年間100万人以上と観光業偏重の産業構造ですが、最近の金融危機の影響で観光客は減っています。しかしそれほど深刻な空気が感じられなかったのは・・・ひとつには熱帯特有の楽観気質もありますが、沖縄からの米軍移転が下支えになっているのでしょう。また、「アメリカが何とかしてくれる」という依存体質もあるのでしょう。
観光客のほとんどは日本人で、観光収入の9割は日本人からという、これまた日本偏重の経済体質です。街を歩くと若い日本人女性のグループが目につきます。旅行のお目当てはショッピングとゴルフ、それにマリンスポーツ(少数派)。私のような自然愛好者は絶滅危惧種。折角の熱帯性気候なのにエコツアーもなく、もったいない限りです。むしろ街や道路はカルフォルニアと間違えるばかり。大型乗用車がガソリンやCO2を撒き散らして走り回っています。グアムのロータリアンに聞いたところ「グアムの人は、地球温暖化でグアムが海面下に沈んでもアメリカが何とかしてくれると信じている」。笑えないジョークです。

それでも花は健気に咲いていました。

今回歩いた島の中心部

グアム島 

約25Kmをぐるりと
プリメイラ     (タモン)

ハーフ・フラワー

草トベラの仲間。
花びらが下半分しかないため、
この名(半月)がつきました。

    (タモン)
ヘリコニア
(タモン)
日没 ハガーニア湾

火焔木(カエンボク) 別名:アフリカンチューリップトリー

鳳凰木、ジャカンタラと並ぶ3大花木のひとつ
炎が噴出しているようです。

(ハガーニア)
南の国でも桜は咲きます。
          提琴桜(テイキンザクラ) 

実は桜の仲間ではありません。
日本が占領中は「大宮島」と呼ばれたグアム島。故郷を懐かしむ日本人は5弁の花なら、何でも「桜」としてしまったようです。南洋桜とも。           (ハガーニア)

  
 (タモン)
  これは桜の仲間ですが、名がわかりません。
長穂草(ナガホソウ)

名の通り、長細い穂先に5弁の青紫の花をつけます。台湾植物園でも見た花です。


(タモンとハガーニアの間)

朝日蔓(アサヒカズラ) 別名: 新渡戸蔓(ニトベカズラ)

これも台湾植物園で見た花。これだけ育つのはさすが熱帯。アサヒの名は朝日のような色から、別名のニトベカズラは新渡戸稲造(5,000円札の肖像)を記念して。日本では沖縄で咲いています。     (タモンとハガーニアの間で)
  白花も

グアムの州旗は青地(太平洋)の中央にグアム紋章を描いてあります。1917 年、米海軍の将校夫人であるヘレン・ポールのスケッチを元にデザインされたものです。この場所がハガーニアの近くにあります。
        この木はアブチロン →

ハガーニアはグアムの州都。行政機関や裁判所があります。その歴史は古く1521年にヨーロッパ(マゼラン)に発見されて以来スペイン統治の中心でした。スペイン橋(遺構)やマリア教会があります。

大胡蝶(オオコチョウ) 別名:ピーコックフラワー

海南島でも咲いていたマメ科の花。葉の形が合歓(ネム)やオジギソウと同じです。

レッド・ジンジャー

教会のファサードで咲いていました。生姜(ショウガ)の仲間。赤いのは苞(ホウ)で花弁ではありません。ピンクのレッドジンジャーもあります。
  (タモンで)

  タベブイア・アウレア
   別名: ゴールデントランペットツリー

日本では初夏にオレンジ色の花をつける凌霄蔓(ノウゼンカズラ)の仲間
熱帯だと蔓でなく、5mの樹木になります。
この花の兄弟のコガネノウゼン(タベブイア・クリソトリカ)はブラジルの国花、またキバナノウゼン(タベブイア・クリサンタ)はベネズエラの国樹です。
沖縄ではイペーと呼ばれています。
    こんなに高くなります

ハガーニヤから東南に進路を変更。島で最も狭い腰部を横切って太平洋側に向かいます。ここからは野性の世界。花も生存競争に巻き込まれます。
           (サトイモの一種)
コバノセンナ (ハガーニアからジョーナの間) 花丁子(ハナチョウジ) 


(日本では園芸種ですがここでは野生)
バルレリア・クリスタータ タチノウゼン 別名:金鈴樹(キンレイジュ)

御辞儀草(オジギソウ)別名:ネムリグサ

       白い花は 銀合歓(ギンネム)
 

島の中央部は平らで、人家は多くありませんが、代わり農園が少なからずあります。
  
(ジョーナの手前で北東へ)

農園ではトロピカルフルーツを植えています。最近は日本でもマンゴーやバナナ、パパイヤなどトロピカルフルーツはおなじみのものですが、バナナ(芭蕉)を除いて花は知られていません。てくてくと歩いたお陰で出会うことができました。

      お馴染みの バナナ 

顎の下からちょっと顔を出しているのが花です。既に多くの実をつけてしまったので1個しか付いていません。
              花の拡大 →

パパイヤ 

スターフルーツ 別名:五歛子(ゴレンシ)

      パンの木

これは民家の庭先に咲いていました。この木さえ一本あれば一生働かずに食ってゆける!? 明日のことを憂うる必要のない熱帯気質の源泉です。熟れた実を蒸して食べるそうですが、どんな味でしょうか?実の上の白いのが花。
         

グアム大学の道をまっすぐ行くと・・・そこは太平洋が広がっていました。

日もだいぶ翳ってきましたが、陽射しは強くUVクリームを忘れたことを後悔することになります。
あとは夕陽に向かって帰るだけです。そんな道でも足を止めたくなるような花々が・・・

アデニユム 別名:砂漠の薔薇

ハイビスカス  別名: 仏桑華(ブッソウゲ)

その晩は火照った体で飲んだ冷したビールが美味しかった。
しかし、折角の環境なのに(そんな環境だからか)、自然をあまり守ろうという人が少ないのが気になります。温暖化で海面が上昇すると壊滅的な被害を受けるというのに・・・・


「なに花な?」コーナー
グアムでもいくつか名前が分からない(当然ですが)花がありました。いくつかを下に載せましたの、ご存知でしたら教えてください。

@ A
B C
(写真をクリックすると拡大します)

「何かな、なに花な?・・・」のページにも不明な花の写真を載せてありますので、もし、ご存じならば教えてください。
ココをクリック、または http://www.insite-r.co.jp/Flower/unkown/

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