八重山列島(石垣島、西表島、与那国島など)の代表的な単子葉植物といえば、♪名も知らぬ遠き島より流れ寄る
ヤシ科の植物であるが、今回は草の花の紹介なので、パス。
草本の単子葉植物の主なものは・・・ラン科、ユリ科、ショウガ科、サトイモ科などがあるが、ここでは前のページで掲載した以外の花々を紹介します。
 ラン科
←リュウキュウサギソウ (琉球鷺草)
(Habenaria longitentaculata)
本土のサギソウと異なり、花糸がカリーヘア。別名はイトヒキサギソウ(糸引鷺草)で、この方がしっくりする。

        トクサラン(木賊蘭)→
     (Calanthe venusta)
花が落ちた茎が木賊のようだから。11月中旬ではまだ蕾だった。
琉球弧の諸島に広く分布する。

(どちらも西表島横断道/11月中旬)
   
  キンギンソウ(金銀草)
 (Goodyera procera )

小花がたくさんつくシュスランの仲間。
「金銀」というめでたい名前は、花の咲き始めは白く、次第に黄色くなってくることから。
屋久島以南に分布。


’(西表島大富林道/3月末)
   
   ←オキナワムヨウラン(沖縄無葉蘭)
 (Lecanorchis triloba)
ひたすら目立たぬように、薄暗い湿った場所を好んで咲く。とても見つけ難い。

   イリオモテヒメラン(西表姫蘭)→
 (Malaxis bancanoides)
既に花が終わり、穂先に僅かに残っていた。
 
   (どちらも西表島古見岳/11月中旬)
   
リュウキュウセッコク(琉球石斛)
 (Eria luchuensis)

幹にちゃっかり着生する。7~8月に白い房状の花をつけるが、この時はまだ蕾もなかった。

(西表島横断道/11月中旬)
 
 
この他、ツルランやオナガエビネなど色もきれい姿・形もよいランがあるが、花期が6~8月。また、3月末の与那国島ではジャコウキヌラン(麝香絹蘭)を探したが、少し早かったためか見つけることができなかった。機会があれば再訪したい。

ユリ科
 
八重山ではテッポウユリが繁栄を極めているためか、ユリ科の花は少ない。本州でも見られるハマユウやヤブランを除けば、この花くらいしかない。
    キキョウラン(桔梗蘭)
  (Dianella ensifolia)
ランと名がついているが、ユリの仲間。葉がランの葉のように見えるところから。花もキキョウには見えない。

(与那国島満田原林道/3月末)

   与那国島のキキョウはこちら。→

ヒナギキョウ(雛桔梗:キキョウ科)
(Wahlenbergia marginata)
丈は10㎝ほどのとてもスレンダーな姿。

(与那国島立神岩/3月末)
 
 
ショウガ科
この仲間にはミョウガやウコンなどがあり、根が香辛料や生薬に用いられるものが多い。八重山列島にあるゲットウやクマタケランはハナミョウガ属に入る。
 イリオモテクマタケラン
 (西表熊竹蘭)
 (Alpinia flabellata)

穂状の小さな花をつける。唇弁は薄いピンク。(左)
実はオレンジから朱赤色で5㎜程の大きさ。
通年を通して、同時期に花も実もつける。

(西表島大富林道/11月中旬)
 ゲットウとは葉の違いが分かりにくいですが、花や実を見ると一目瞭然。

科は異なるが、トウツルモドキ(トウツルモドキ科)とは実が似ている。
 
   ゲットウの実 トウツルモドキの実 
ツユクサ科
沖縄ではツユクサの仲間はヤブミョウガを含めて、11種ある。そのうち半数が、八重山列島で見られる。
 ← 
シマツユクサ(島露草)
(Commelina diffusa)
内地のツユクサより花の色は薄い。
         (与那国島比川/3月末)
                    
      シマイボクサ(島疣草) →
   (Murdannia loriformis)
葉を揉んで、汁を疣につけるとイボが消えることからこの名がついた。最近は本土にも出没している。
          (与那国島東崎/3月末)
 
サトイモ科
ミズバショウの仲間。仏炎苞に包まれた小さな花(肉穂花序)が花軸に塔のように無数につく。
クワズイモ(食ズ芋)(Alocasia odora)

仏炎苞は20~30㎝、葉1mは以上になる。名前は根が有毒なため。
葉の葉脈は平行でないが、これは例外。
種小名のodoraは匂いのこと。腐ったような匂いでハエを誘き寄せ、花粉を運ばせる。ミズバショウの英語名もスカンク・キャベツ。

(左:与那国島久部良岳/3月末)
(右:沖縄やんばるの森/12月中旬)
 ヤエヤマクワズイモ  シマクワズイモの葉。
 

2021.5.17 upload


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