海南島 縦断視察記

2004年3月、前年12月の訪問に続いて2回目の旅行です。
今回の目的はビジネス。海南島でシニアの方々が快適に暮らせるインフラがあるか調査してきました。
17日北京から省都 海口市に入り、北から南へ下り、24日最南端の三亜市から上海経由で帰国しました。
途中、海南省人民病院や海南医学院など医療関係者を訪問し、提携の可能性を探りました。
また、リゾートホテルやゴルフ場、温泉地などを訪れ、環境やアクセスなどを調査しました。
この間ずっと食事は中華料理。ホテルの高級料理から市民が利用する町のレストランまでたっぷり堪能しました。

海南島の地図  

海口→市内→郊外→
ボアオ→保亭→三亜
(太線部)と、島の東半分を巡りました。

もっと詳しい地図は
ココをクリックしてください。

(ご注意:PDFファイルを開くにはアドビリーダーが必要です。まだインストールしていない方はこちらから取り込んでください)
海口市 

広東省雷州半島から10数キロの海峡を隔てた海南島最大の都市。
人口は約80万人で、政治、経済、教育の中心地です。
古くから大陸貿易で栄えた港町で、近代的な建物に混じって、ポルトガル風の建物もあります。

その一方で、投資に失敗したケースも見られ、この50階建てのビルはホテルでしたが今は無人です。
     
医療機関
海南島最大の海南省人民病院(1885年創立)と海南医学院があります。
 
人民病院
以前は市内にありましたが、施設の拡大のため、今は郊外に本部を移し、旧本部は診療部となっています。この他、診療所が3個所あります。
本部にはMRIやCT等の先端医療装置が備わっている他、潜水事故に備えて高圧治療室もあります。
診療部(旧本部)
診療部入口 日本語の案内もあります。

本部のMRI室
(GE製)

     

CT診断室
(これもGE製)

健康回復センター
北京の中日友好病院と共同で設立しました。
術後の療養やリハビリに使います。
       
本部の入院棟
広大な敷地に建設中の治療棟

人民病院の朱理事長や幹部の方と会議を持ち、日本の定年退職者が海南島で暮らすようになった場合で、医療が必要となったときサポートを得られるか尋ねましたが、大いに歓迎するという力強い返事を頂きました。
また、中国式の針や按摩など伝統的医療も受けられる他、先端診断機器を使った人間ドックも受診できます。
     (右が朱理事長:病院の党書記)
 
 現在、西部の海浜区で用地を手当てし、上海資本と合弁で養老センターを計画中とのことです。
 
海南医学院
1947年創立の単科医科大学。教授・講師陣が約600人、学生5,000人強。3個所の付属病院を持ち、ベッド数は2,000床以上。2年前に看護科を設立され、来年7月に第1期生191人が卒業の予定。老人介護に力を入れており、香港資本と合弁で老人(養老)センター設立を検討中です。
渉外部長の劉主任とお会いし、長期滞在の日本人シニアの介護や看護のため看護科卒業生を採用できないかとお願いしたところ、日本語教育や日本での研修を受けることができるのであれば、優秀な学生を紹介したいとの回答を頂きました。
  
校門で劉主任(左端)と(右端は京都府立医大で6年間研修を受けた鄭医師)
     
校舎・研究棟 付属病院
   

海南医学院のホームページは
http://www.hainmc.edu.cn
 
リゾート施設

人口も集中しており、また大陸から近いことから海口の郊外にはいろいろなリゾート施設があります。主に、リゾートホテルやゴルフ場、スパー等です。

海南新国賓館
海口市の中心部から西へ約15Kmほどの海岸にあります。経営母体は海南航空(民間企業でJ. ソロス氏の資本が入っています)です。

全体に東南アジア風にまとめていますが、日本式の部屋や食堂(鉄板焼き)も用意し、日本からのゲストに期待しています。親会社の海南航空が7月に日本直行便を就航する予定なので、かなり日本からの観光客を当てにしているのかも?

ホームページは 
http://www.newstateguesthouse.com/

日本の間 (障子や石風呂がついています)
これは部屋の外に描かれていた浮世絵?
露天風呂も付いています。
極めつけは・・・畳の部屋
近くに別荘付のゴルフ場も開発中です。
  
クラウンビーチ(皇冠海浜)リゾート&スパー

新国賓館とは反対に、海口市から東へ20Km行った江東新区にあるリゾートホテル。
ここでも温泉が出、これを利用したスパーがあります。訪問したときは、ロシアから来たご婦人がゲストでした。(内部は写真禁止なので、残念ながらお見せできません)

ホームページはココをクリック
http://www.crowneplazahainan.com
                  スパー館全景→
 
部屋から見たビーチ
スパー(パンフレットから)

                
  
東山ゴルフ場
海口市で一番大きな湖(人造湖)のほとりにあるゴルフ場です。ちょうど北緯18度線の下にあります。別荘やリゾートマンションの開発も進めており、コースのそばに現在建設中。別荘かマンションを購入すると50元(750円)でプレーができます。(グリーンフィー、キャディフィーは別途必要。100元(1300円)程度)

施設全体図のモデル

マンションの内部モデル(これで250万円程度)
実物大のモデルルーム
家具付のリビング
ゴルフ場のクラブハウス
コース
 

いよいよ海口市から南へ向かいます。 島一周の高速道路が整備されており、料金は無料です。

ボアオ・チョンハイ市
ボアオを漢字で書くと「博」、大亀という意味です。従って、海辺にあります。また、チョンハイのチョンは王ヘンに京と書きますが、当用漢字にはありません。旧漢字は「瓊」で、海南島の古い呼び名です。なお、「ハイ」は「海」です。海南島も中国語では「ハイナンダオ」です。
ボアオは最近開発されたリゾートで、一昨年、アジアフォーラムがこの国際会議場で開催され、小泉首相や朱容基(当時)首相がアジア各国の首脳と一堂に会しました。その後も、毎年開催されています。
このリゾートを開発したのが、江沢民前国家主席の親族につながる人物。ここで別荘地を買っているのは、北京や上海の実業家に混じって欧米の企業というのも頷けます。
(左)
ボアオ国際会議場

国際会議のない時は、見本市や新製品発表会に使われています。ちょうど、ラスベガスのようですね。参加者の狙いは・・・・ゴルフご接待です。

下は会議場の隣にあるゴルフ場。ここでプレーするのは北京の高級官僚や上海の財界人です。
ただいま、創設会員権の販売中です(100万円)

(下)
ボアオアジアフォーラムゴルフクラブ
  

別荘地
ゴルフ場の周囲には、個人や法人が所有する別荘が広がっています。ツアー客が長期滞在できる別荘もあります。
この別荘地はクリークに添って並んでおり、1棟で4〜5組の客が宿泊できます。
船でゴルフ場とも行き来できます。
ホームページ http://www.sohochina.com/temp/boao/
もっと詳しく見たい方は下をクリック
http://www.boaocanalvillage.com
リビング
ダイニング
  キッチン
             
ベッドルーム
          遊戯室
浴室
バルコニーから見た会議場とゴルフ場遠景


ガンタン温泉
ボアオから山の方へ5〜6Km程入ったところに温泉があります。この温泉は80〜90度で、硫化水素を含んだ硫黄泉です。日本の昔の湯治場の雰囲気があります。
露天風呂

源泉と効用書き
温泉卵も作れます
                
バンガロー式(日式と書いてありました)客室
隣で新しいホテルを建設中。試掘しています。
  
 
保亭市
再び高速に乗り、一路南へ。
牛嶺トンネルを抜けると、海南島南部です。
以前アメリカ軍の偵察機が強制着陸させられたのが陵水(リンスイ)。ここから山間部へ入ります。
走ること約30分で保亭(バオティン)市。
保亭は海南島で最高峰の五指山(海抜1867m)の麓にあります。五指山は熱帯雨林に覆われ、大型クワガタムシ等の昆虫や新種のコケなど動植物が豊富です。将来バイオの原材料が見つかるかもしれません。また、多量の雨が火山岩で濾過され、至る所で湧出しています。水質は清浄でそのままでも飲めます。
ここでは水牛が道路の王様。
(水牛は食べません。家の守り神です)
    

五指山から流れ出る川

七仙嶺温泉

更に山にはいると七仙嶺温泉です。
七仙嶺は右の写真のように、峰の上に7人の仙人が立っているような岩があることから来ています。

この温泉はフッ素や重炭酸塩を含み、水温が93℃と高い他、湧出量も毎分1トン以上と非常に豊かです。
七仙嶺の峰
温泉の源泉 その1 温泉の源泉 その2(賽の河原風)
中国式入浴法

中国には温泉が少ないため、日本のような「温泉文化」はなく、社交や憩いの場として利用されています。大きな野外温水プールに水着を着て入浴(従って完全混浴)し、泳いだり、おしゃべりをして過ごします。
これだけの湯量があっても、治療や生活用水に利用されていないのは、とても勿体ないような気がします。温泉療法や温室の熱源などの利用用途の開発が望まれます。

ここには日本人の経営するホテルがあり、和室や岩風呂を備えた日本風の作りなっています。中国に来ていることをしばし忘れさせてくれます。
ホテルの全景
ロビー            畳付客間
岩風呂
浅くて歩行湯に最適
     茅葺き露天風呂 
私たちは日本風に楽しみました
裸姿で失礼。

七仙嶺から、海南島最南端の三亜市に向かいます。途中、南田温泉を見学しました。

南田温泉
古くからある温泉ですが、山亜市へ来る観光客を見込んで、現在大スパーランドを建設中です。中国でも温泉ブームが起きるのでしょうか。(最近日本の温泉を訪れる中国人旅行客が増えているようです)
建設現場を見てきました。
ホームページはhttp://www.nantian-hot-spring.com

完成図                          源泉(七仙嶺に比べて湧出量が少ないようです)
建設中の建物(スパー本館) 露天風呂も造成中
 

三亜市

いよいよ旅の最終コース。
昨年12月に初めて海南島を訪問したときは、三亜市とその郊外の観光スポットを回りました。
その時の訪問記はこちらをご覧下さい。
海南島訪問記(ココをクリックして下さい)

今回はリゾート施設を中心に見学しました。
武警三亜療養院

日本でも熱海など温泉地には健保組合や共済組合の保養所が多くありますが、中国も同様です。
ここは武警(武装警察)のリゾート施設です。税金をふんだんに使えますので、とても立派な施設です。
日本でも保養所の組合員外利用がようやく認められるようになりましたが、「開放経済」を進めいている中国では早くから一般の利用が可能になっていました。むしろ一般利用で収益を確保している節があります。
敷地は広大で、プールが2つある他、手入れの行き届いた芝生や医院まであります。また、武警だけあって、ゲートには武装警官が立ち安全このうえなしです。

レセプションホール(南欧調の建物)
部屋前に広がる南シナ海
(正面がダイビングスポットの西島)

ジャグジー付プール

もう一つのプールと宿泊棟

客室

付属医療室(風邪など簡単な病気を治療します)
(スィートルーム)
              

芝生(ここで太極拳をするといい気持ち)

海南島では日本の放送(NHK)も受信可能です。
               客室の値段表

ところで気になるのは、お値段。結構高いのです。
普通の部屋(標準)で980元(約13,000円)、スィートルームだと2880元(約27,400円)にもなります。
(私が泊った五つ星の山海天ホテルでも500元(約7,500円)でした)

でも、利用者の負担は余りありません。なぜなら、ここへ来る人たちは、幹部や優秀な成績を挙げた人やその家族で、費用の大半を所属する武警が負担するからです。一種の報償休暇やインセンティブですね。
また大手旅行代理店はバルク契約をしていますの、半額位になるとのことです。

ちょっと変わった温泉

三亜田原温泉
三亜市の郊外にある温泉です。名前の通り、田圃の中にあります。昔日本の各地にあったヘルスセンターのように地元の人が楽しむ温泉です。
すべて露天で、石風呂有り、たらい風呂ありとバラエティに富んでいます。その中で「魚治療風呂」は中国独特のもの。
ホームページ:http://www.Hisanya.com
並んだ石風呂(各風呂毎に効用が違うようです?)
たらい風呂とマッサージ室

                
魚治療風呂

魚が泳ぐお湯の中に体を入れると、患部や角質部を魚がつついて食べてくれます。
結構高い(10分で80元−約1,000円)のですが人気があるようです。水虫にも効くかもしれません。
 
海南島の鉄道

最南端の三亜市から島の西部を通って省都海口に至る鉄道があります。この鉄道は第2次大戦中に鉄鉱石を運ぶため日本軍が建設したものですが、現在でも内陸運輸の一翼を担っています。現在は一日数便で、貨客今号の列車編成ですが、広東省と結ぶフェリーができたことで、北京や上海など大陸の各都市から三亜まで鉄道の旅が楽しめるようになります。
 
中国の銀行

日本の銀行は土曜日・日曜日が休みですが、中国の銀行は土曜日・日曜日とも営業しています。現金の出入金だけでなく、振込や為替もできます。商店やサービス業など土日に営業している所も多いから、当然のサービスですが・・・・それに引き替え日本の銀行は。
税金をつぎ込んでもらっても一向にサービスが改善されません。少しは中国の銀行を見習ったらどうでしょうか。

日曜日の中国銀行窓口で。
庶民向きリゾートマンション

三亜海岸に並ぶリゾートマンションは100uで230〜300万円で、日本人にとっては安いと感じる価格ですが、中国の一般人(党の幹部や私企業の経営者以外)にはやはり「高嶺の花」です。
でもちゃんとしたもので、少し不便な場所になると100万円以下の物件もあります。(このマンションは風光明媚な亜龍湾の近くにあり、ちゃんと門番ガードサービスもついています)
賃貸だと月5〜6万円です。と言うことは、国民年金の給付金だけでも十分楽な暮らしができます。
 
亜龍湾ゴルフクラブ

シェラトンホテルやホリデーインなど外資系のリゾートホテルが建ち並ぶ亜龍湾にあるゴルフクラブ。
椰子の林を抜ける風が心地よいゴルフ場ですが、これがなかなかの曲者。

入口(ホテルから徒歩で)      スタートホール             クラブ食堂


三亜周辺には、この他3個所のゴルフ場があります。
 
ちょっと危ない遊びも・・・・・
温泉やスパー、ゴルフと健全な遊びを中心に見てきましたが、ちょっとワイルドな遊びもあります。

オリンピックシューティングレンジ
解放軍や武警関係のOBが運営している射撃場。
ライフルからピストル、AK47カラシニコフまで。もちろん実弾(1発6元−約100円)です。
私もカラシニコフを撃ってみましたが、バッバッバッとあっという間でした。油が飛び散るので、ご注意下さい。
実弾装填
AK47カラシニコフ 高射砲まであります(1発50元、これは空砲)

そして・・・・夜は
三亜市内には海鮮料理のレストランや屋台が軒を連ねています
お腹が一杯になったところでカラオケへ。
ホテルの地下にはカラオケルームが揃っています(ちょっと怪しげなムードでした)
  
                
旅の締めくくりはお土産。
海南島土産は、貝細工や椰子の工芸品など。
 

熱帯魚も


これで8日間の旅は終わりですが、一般の日本人が想像しているのとは別の中国がここにはありました。
物価や人件費が安いだけでなく、温暖な気候(平均気温が20−30℃)と一年中緑に包まれた山々と陽光注ぐ海浜、そして温泉やゴルフ場など自然豊かなリゾート施設などなど・・・長期滞在にはもってこいの土地です。
今回の視察旅行を通して、これから定年を迎える団塊の世代(私自身を含め)が「年金問題に悩まされることなく快適で豊かな生活を楽しむことができる」という確信を持つことができました。そして、その実現のために整備しなければならない環境や条件−例えば、

医療体制(緊急医療や慢性病治療など)や健康管理・増進プログラム
快適で安全・安価な住環境(宿泊施設や不動産管理)
顧客満足を実現するスタッフの確保と研修(日本語、日本的応対マナー、日本食など)
日常生活のサポート体制(買い物時の交通や通訳など)
自己実現を可能にする余暇活動プログラム(中国語学習やスポーツ活動の支援)
地元の人々との交流やボランティア活動プログラム
日本との交通・通信の確保や留守宅管理システム
資金計画と利用者(会員)募集体制
現地の政府機関や諸施設等との提携

などについて研究・検討を開始する予定です。
また、そのたたき台として「アクティブシニアライフ 海南島倶楽部プロジェクト(案)」を作成致しました。

もし、ご興味・ご関心を持って頂ければ、この計画案をご案内致しますので、matsunaga@insite-r.co.jpまでご連絡下さい。

この他、海南島に関するページもあります。併せてご覧下さい。

海南島訪問記(昨年12月の初回訪問記:三亜市周辺)
海南島のゴルフ場
海南島の花々
海南島食べ尽くし(ただいま作成中。海南島で食べた料理の数々)

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